午後から風雪となつた
また一年が過ぎたね、今年の旅も今日で終はり
思へば滿ち足りた年であつたといへようか
窻外の流れる雪を振り返る緣として
モーツアルトの響きが耳に優しくこゝろにさやさやと流れていく
旅にありては蝦夷地の深い森でのカムイとの出會ひや
四國での照葉樹林の中で地靈との語らひに
遙か繩文に連なる命を見た
そして今日、孫めらと雪にたはむれ
成長はしたものゝ、へたれたる魂に「Y染色體」の繫がらぬもどかしさを覺えたが
まあいゝいかやうであれ日本人としての心をつなぐ人となれ
生きてゐる限り老いたれども頑固爺は笑へども嚴しく接していくであらう
「覺悟せゐ!」孫めらよ
明くる年に我はまた「虎の千里」を走り抜けるであらう
孫めらの聲耳はらやみて大晦日 百百合(mango)